8月19日の報告

8月19日には、安達宣教師に加えてかつてのJ3(短期信徒宣教師)も参加くださり、被災された方々へアメリカの教会の方々の祈りも届けることになりました。
以下、安達均宣教師(松橋教会・神水教会)の報告です。
 

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角本牧師、大江教会のランディさん、そして安達で参加してきました。朝8時45分にボランティアセンター駐車場の日陰にて、英語と日本語で詩編27編1節を読み、祈ってから、ボランティアセンターの受付をしました。

どの被災場所に派遣されるかの待合所テントがあり、15分くらい待っていました。そのテントの壁には、他県の小中学校などから寄せられた応援メッセージが書かれており、祈りの中での神の祝福・護りに加え、子どもたちからの励ましをもらいました。

わたしたち3人の他、その日めぐりあった5人のボランティアの方々と合計8名で、芦北町の佐敷川河口まで500mほどの地区にある床上浸水となった家屋に派遣されました。1階部分だけで6畳ほどの部屋が6部屋あり、全室の畳や床はすでに除去された状態になっており、家具や押し入れに入っていたと思われる寝具等々もほぼ処分された状態でした。
その床下は、浸水後6週間がたち、少々、かびっぽいにおいもしていました。そのほどんどの床下部分を、グループリーダとなってくださった岩下さんという方の指示で、2機の高圧洗浄機で清掃し、泥水を塵取りですくいとり何杯ものバケツに汲んで捨てにいき、そして大量の使い捨てタオルを用いてできる限り拭き取るという地道な作業にあたってきました。 

今はひとりでお住まいの住民の方は、休憩の際などに出てこられ、話をされていました。 床下の痕跡を見て「そーね、あれは主人がまだ生きていた時だったから10年以上前だったわ」とか、「この冷房機は去年買ったばっかりだったのに、もう水につかって動かなくなってしまった」とか、まだきれいな掛け軸があったのでどこに置くかをお聞きすると「もう捨ててください」と話され、そしてため息をついておられました。 

交わした言葉は少ないながら、ほぼ10年前にごを亡くされ、お子さんは都会に出られ、4年前には熊本地震があり、この数か月におよんでいるコロナ禍で大洪水に遭遇されたことはわかりました。今はすべてをきれいにしてしまいたい気持ちが前面に出てきていても、思い出との葛藤があり、これからこの家をどうしたらいいかの迷い、そして出てくるのはため息ばかりで、こちらもただため息を共にするだけでした。しかし、何回かに亘って来てくださるボランティアの方々への感謝の気持ちを表現されていました。
英語で"God's Grace in Action"という言い回しがあり「神の恵みが働いている」そういう状態を表現している言葉で、アメリカのルーテル教会のTシャツなどに書かれています。悲惨な状況のなかにも、人知を超えた存在から慈しみが住民の方の上に働いていることを感じました。

ボランティアは、不知火(しらぬい)海を一望できる温泉施設の無料利用が許されており、汗だくとなった作業終了後に8人のほとんどがいっしょに温泉につかり家路につきました。
写真は左から、安達、角本、ランディ、そして一番右のオレンジのつなぎ姿の方が、グループのリーダをしてくださった岩下隊長さん(長年ボーイスカウト活動もされておられ、隊長と呼ばれてました。なお本人の許可もとって、お名前を掲載しております)。

温泉施設利用後はみなさんばらばらになってしまいましたが、ランディさんといっしょに車で熊本市内に戻り、本日の安全を主に感謝し、またひとりひとりへの、特に本日出会いを与えられた住民の方への神の慈しみと平安を祈って別れました。

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